令和6年10月20(日)9:00~12:40まで小諸市役所にて長野県、中野市、(公財)長野県国際化協会の主催による「災害多言語支援センター設置運営訓練・外国人向け防災講座」を開催しました。
1.災害多言語支援センター設置運営訓練
・「災害多言語支援センター」とは、大地震・大雨などの災害が発生した際に、日本語が判らず行政機関等が発信する情報を享受できない、そもそも地震等の災害経験が少ないなどで不安を抱えている外国人住民を支援するために多言語で災害に係る情報を提供し支援する仕組みで、1995年に発生した阪神・淡路大震災が始まりと言われています。
①まず始めに、NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会 代表理事の土井佳彦さんから「災害多言語支援センターの基本的な機能と役割」と題して講義いただき、小諸市在住の外国人市民の国籍からタイ、ブラジル、ベトナムの上位3位で50%を占めている状況から対応すべき言語や、災害時に外国籍の方が直面する困難(国によってはそもそも地震を知らない、避難所を知らない、日本語が分からない、情報が得られないなど、言葉や文化、習慣、宗教上などの配慮が必要な要配慮者)について、東日本大震災や熊本地震など過去の災害事例を元に説明いただきました。
②その後、以下の3班に分かれて訓練を行いました。
・総務班:災害情報の確認、被災者の確認把握、避難所巡回のルート検討、巡回班の編成
・現地設置の情報班A:災害情報の優先順位付け、やさしい日本語に翻訳、避難所へ掲示・配賦情報の多言語翻訳(スペイン語、タガログ語)
・遠隔設置の情報班B:災害情報の優先順位付け、やさしい日本語に翻訳、避難所へ掲示・配賦情報の多言語翻訳(ベトナム語、タイ語、タガログ語、インドネシア語)
③外国人住民が避難している避難所の巡回訓練
・避難所巡回のルート確認、班編成、聞取り用個人カルテ、配慮のポイントなどのレクチャーの後、別会場で受講の外国人向け防災講座参加者を避難者と想定して聞取りを行いました。
・被災者情報の確認では、通訳者が居る場合といない場合の翻訳機やアプリを使うケースの2パターンを体験、コミュニケーションを図りながら「個人カルテ」に困り事を把握し、情報共有する仕組み作りを学びました。
2.外国県民のための防災講座
・NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会事務局の村上典子さんを講師にお迎えし、地震、大雨、大雪などの災害時の行動や、避難所への誘導、避難所での過ごし方、ハザードマップの確認などについて「やさしい日本語」で説明いただき、小諸市及び近隣にお住いの皆さん(ミャンマー、フィリピン、中国、タイ、日本)18名が受講されました。
・また今回は、初めての試みでARゴーグルを使ったバーチャル体験も行い、浸水や飛来物などの疑似体験もいただきました。
10月15日(火)13時から長野県教育委員会教育長室で、直江崇県民文化部長と武田育夫教育長へ神吉宇一 座長(地域日本語教育の体制づくり事業総合調整会議)とマキナリー浩子 (公財)長野県国際化協会理事長から提言書を手渡しました。
これは、現在長野県が少子化・人口減少対策戦略案の策定に取組んでおり、この中に「外国人県民が暮らしやすく働きやすい環境をつくること」を柱の一つに掲げている中で、なお一層の日本語教育の充実、外国人児童生徒の学習支援、多文化共生教育の推進などの多文化共生施策について、重点的に取組まれるよう提言を申し上げたものです。
神吉座長からは、外国人の受入れが単なる就労から日本での生活や子どもを産み育てる態様への変化を背景に、長野県に住み共に地域社会を創る時代への変革を踏まえた日本語教育・多文化共生施策について、一方、マキナリー理事長からは、国際化協会の学習支援コーディネーターによる就学支援の実情と現場の混乱や、外国人児童生徒の受入れに対する体制整備が整っていない状況などを踏まえ、情報・課題共有に向けた「場づくり」、長野県教育委員会としての指針策定、共に刺激を受けながら学び合う貴重な機会となる学習プログラムの構築に向けて、それぞれ提言を申し上げました。
地方公共団体、教育委員会、有識者などが連携し、共に築く「多文化共生社会」に向けて、戦略施策に反映されますようご祈念申し上げます。
9月8日(日)13:00から16:00まで、飯田市丘の上結いスクエアで進学ガイダンスを開催しました。
県高校教育課の水津先生から高校進学のガイダンス、飯田市教育委員会の木下先生から進路を考える時に大切にしたいことの説明、そして飯田国際交流推進協会の吉澤副会長さんがインタビューアとなり、高校3年生の田原ジオバナさんと田中美優さんから、質問形式で来日しての困り事や辛かったこと、進学に際しての進路の決め方、将来の夢などについて先輩の立場で語っていただきました。
多くの苦労も家族や先生に支えられ、日々の生活から部活や文化祭など充実した高校生活を笑顔で伝えてくれる姿が印象的でした。
今日で今年度予定のガイダンスは終了となりましたが、まだまだ日本の教育制度や高校入試などの仕組みを知らない方が大勢いらっしゃるのではないかと危惧します。
来年の入試に備えるのはもちろんですが、日本で学び就労を考えるに際し、学齢にもよりますが情報は早い時期に知り得ていることが大切と考えます。
ガイダンス資料は県教育委員会から各市町村教委をはじめ小中学校にデータ配信してあります。
どうぞ、知らなかったことが若い彼らの不利益とならないよう、引き続きご支援いただく皆さんのご協力をお願いします。
9月17日は中秋節。
中国、台湾、韓国やベトナムでは、家族の幸せを祈って月餅を食べる習わしがあります。
中秋節に欠かせない月餅ですが、海外から日本への持ち込みには注意が必要です。
月餅の餡にハムやソーセージなどの肉製品が含まれるものがあり、その場合は、日本への持ち込みが出来ません。
海外から持ってくる月餅に、肉が含まれていないことを良く確認して、中秋節を楽しんで下さい。
くわしくは、動物検疫所のホームページを見てください。
http://www.maff.go.jp/aqs/tetuzuki/product/aq2.html
(肉製品などのおみやげについて・日本語)
http://www.maff.go.jp/aqs/languages/info.html
(いろいろな国(くに)のことば)
毎年中秋節前後に、肉製品(ソーセージ、ハム)の含まれた月餅が国際郵便物手荷物で持ち込まれます。
肉製品を含んでない、豆類等の餡の月餅であれば持ち込むことができますので、在留外国人の方々には肉製品が含まれていない月餅で中秋節をご家族で楽しんでいただけたらと思います。
今後とも、動物検疫業務への御協力をよろしくお願いいたします。
8月25日(日)13:30から16:00まで、箕輪町の産業支援センターみのわで進学ガイダンスを開催しました。
県高校教育課の水津先生から高校進学のガイダンス、箕輪進修高校の倉田教頭先生から高校の多部制と高校生活の説明、外国ルーツの先輩メッセージやアドバイス(高校生3名、大学生1名)、そして東京入管の北村さんから在留資格や就労などについてそれぞれ説明をいただき、お集まりの皆さんからも多数の質問により理解を深めておられました。
また、ガイダンス終了後の個別相談も盛況でした。
今回の箕輪会場では、日本語の理解に苦しみながら高校・大学へ進学された先輩のメッセージやアドバイスが印象的で、それぞれ自分の言葉で高校生活で得られる選択肢や自身が成長出来る素晴らしい場であることの発表や、この高校生は日頃から多文化LIFEの活動にも携わっており、この日も通訳者として支援したり、様々な活動の中で仲立ちなどをされておられるとのこと。
現在日本福祉大学に進学された先輩からは、将来なりたい自分=何をしたいかを考えて進路を選択する大切さや、自身のゲーム好きを利用して勉強をゲームのキャラクターに置き換えてイラスト化やメロディなど、五感を使った記憶に残る習学法、奨学金は自分への投資と同時に「借金」という意識についてもお話いただきました。
素晴らしい企画開催をいただいた多文化LIFEスタッフの皆さんに改めて御礼申し上げます。