2023.12.10「八ヶ岳ワールドもちつき祭」について
- 2023/12/12
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催事の様子についてはFacebookに掲載のとおりですが、ここに至るまでの背景などについて少しでも多くの皆さんにご覧いただきければと願い掲載します。
なお掲載に当たりましては、JICA長野県OB会(小林会長)、南牧村(産業建設課 主幹 菊池さん)に監修いただきました。
1.JICAによるODA
JICA「草の根技術協力事業」から「日本NGO連携無償資金協力事業」により、環境に配慮した安全な野菜栽培の技術普及と農産物の流通改善を図るため、公益社団法人国際農業者交流協会(JAEC)が対象地域であり高原野菜の産地であるフィリピンのベンゲット州の若手農業者を技能実習生として日本に招き、高原野菜の産地として有名な長野県八ヶ岳地域の農家で技術と知識を習得し、地域の農業発展に貢献してもらうことを目的に技能実習生受入事業が開始されました。
2.政府公認、自治体、受入農家も現地赴いて支える技能実習
フィリピン農民の技術向上を図るため、高原地帯のベンゲット州から技能実習生の受入を開始。
同州との協力により選考と派遣前講習を実施し、技能実習生の配属地はやはり高原野菜の産地である長野県の八ヶ岳地域に限定しています。
一方の南牧村でも、技能実習生の受け入れの縁からフィリピンのベンゲット州ラ・トリニダット町と姉妹都市提携を行う中で、相互の人材交流を行っています。
そして技能実習生の受入については、受入農家で構成するNPO八ヶ岳環境保全型農業国際研修協会(会長:菊池辰夫さん=後述のイチゴ農家)を中心に実施しており、受入と共にフィリピンへも赴いて現地での技術指導も行っています。
3.JICA長野県OB会の支援
OB会長の小林恭介さんが、2020年8月の技能実習生の落雷事故を契機に働く彼らの姿を追うようになり、仕事柄、高原野菜の産地である川上村や南牧村を巡る中でイチゴ農家の菊池辰夫さんと知り合いました。そして一番驚いたことは技能実習生が菊池さんを「お父さん、お父さん」と呼び菊池さんも「うちの子たち」と話している姿を目の当たりにし、「実習生のためのイベント」を呼び掛け、2022年12月に第1回の「八ヶ岳ワールドもちつき祭」が開催され、今回が2回目の開催となりました。
※「絵に描いたもち」ならず「絵に描いたようなセオリー通りの技能実習」を実践
令和5年11月30日、技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議において、令和4年12月から16回にわたり開催された有識者会議での議論を踏まえた最終報告書が、法務大臣に提出されました。
厳しい職場環境に置かれた技能実習生の失踪や人権侵害など、とかく技能実習制度にはネガティブなイメージが先行しがちですが、大多数の技能実習に関わる皆さんは法令等を遵守し適正に監理運営を行っておられます。
そして、今回ご紹介するこのような素晴らしい取組みが私たちの身近にあることを少しでも知っていただき、国際交流、多文化共生理解の一助となることを願ってやみません。
以下の動画もぜひご覧ください
【フィリピン・農業】わたしと故郷と「絆」たち:長野県 / フィリピン・ベンゲット
https://www.youtube.com/watch?v=zUfILav-030
JICA長野県OB会facebookに関係者の詳細が掲載されています